10月の「健康づくり・体力づくり月間」にちなみ、石垣市役所で10月1日、スマムニ(島言葉)を使ったラジオ体操が行われた。この日は市民約80人が参加。ユーモアあるスマムニのアナウンスに、笑いながらのラジオ体操となった。
市教育委員会と保健福祉部は、市民一人ひとりの健康づくり・体力づくりに、子どもから高齢者まで誰もが知っている「ラジオ体操」を勧めている。そのラジオ体操で、今夏から話題になっているのが、新川字会(上唐利夫会長)が制作した「スマムニラジオ体操」。おなじみのラジオ体操第1を、新川の方言に翻訳したユニークな取り組みで、体に良いだけでなく「方言の継承にもなる」との期待も高い。
「ウディ、ユ、マイカラ、ウヤァービカイ、アギィ、ヌバショーリ、ハイ(腕を前から上に上げて、大きく背伸びの運動)」から始まる体操は、表現の面白さに思わず笑ってしまい、動きを止めてしまうほど。
翻訳に携わった嵩本安意さんはスマムニの表現について「伸びと首はスマムニにすると、同じ『ヌビ』。標準語を直訳すると別の意味になったりするので苦労した」と振り返る。このほか「斜め」は「タラッパイ」と言うそうだが、動作が分かりづらいので「ユク(横)ウイ(上)」という表現を使ったという。
夏休み中は地域の子どもたちもこのスマムニを聞きながらラジオ体操を行った。地域の長老からは言葉の使い方についてアドバイスをもらうという。「もっとスマムニを勉強するようになった」という嵩本さん。「小中学校からスマムニを使う機会を増やして学んでほしい。それが伝承につながる」と話す。
現在、ラジオ体操第2の翻訳作業も終了。第2では「田植えをするように、腰を曲げて」などさらに表現を工夫したという。何より「楽しみながらできる」ことが一番の特徴だ。
各地の行事で引っ張りだことなっているスマムニラジオ体操。市教育委員会は「笑いは腹筋にも効くし、健康にもいい。他の地域でも、自分たちの言葉で翻訳してやってみるといいと思う。ラジオ体操については、希望があれば職員が出向いて正しい体操の仕方を教えます」と話していた。