石垣の居酒屋「自由人」（石垣市美崎町、TEL0980-84-5812）がメニューを一新し、石垣島近海で捕獲されたサメを使ったオリジナルメニューの提供を始めた。

　約4年前にオープンした同店。当時人気があった串揚げ料理をメーンに人気を得ていたが、ブームが去るとともに客が落ち込み、常連客の足も遠のきつつあった。

　「今まで申し訳ありませんでした」――メニュー一新の理由を尋ねると、店長・鈴木啓祐さんがいきなり頭を下げる。「来ていた客を取り戻すには、客の声を聞き、すべてをリセットするしかない」とメニューだけでなくスタッフも総入れ替えした。鈴木さんも今年に入ってから店を任された一人だが、「これまで申し訳ないと言うしかない。以前は島料理でもどこか本土志向だった。まず島の皆さんに愛されなくては」と、地元の人たちが好きなものを多く出すよう料理を見直し、刺身も漁業者を厳選して近海魚を出すようにした。

　リニューアルの中でも、「他の店では食べられない料理」と目玉に据えたのが「サメ」。サメは漁業の妨げになるとして年に数回駆除されるが、廃棄するだけで食べる習慣はほとんどない。だが昨年4月、テレビ東京の番組「チャンピオンズ」で新しいサメ料理を作る企画があり同店で調理シーンを収録。これをきっかけに店でもサメを扱い始めたことから、サメ料理のバリエーションを増やし、「サメ料理が食べられる店」として売り出すことにしたという。

　メニューはスモークしたサメを使った「石垣ザメのカルパッチョ」（780円）、自家製の西京みそに漬け込んだ「石垣ザメの西京焼き」（580円）、サクサク衣で包んだ「石垣ザメのカツ」（620円）、「石垣ザメのピザ」（980円）、「石垣ザメのちゃんぷるぅ」（690円）など。

　このほか鈴木さんも驚く反応があるのがオージービーフの「ステーキ定食」（1,380円）。客の声を聞いて新しく提供を始めたメニューで、飲んだ帰りにステーキを食べていく人もいるほど。自家製手打ち麺の八重山そばも鈴木店長の「おすすめ」で、「三枚肉そば」「ソーキそば」などの定番から、「焼きラーメンそば」（620円）、「サラダ風冷やし麺」（680円）と一工夫したメニューもある。

　ランチタイムはセットや定食を提供。「鮫（サメ）カツ定食」（780円）、「ステーキ定食」（980円）のほか、各そばメニューにジューシー（沖縄の炊き込みご飯）が付いたセットなどを用意。

　「家庭料理を食べるように、味付けも客の好みやオーダーに応えられるような店にしたい」と鈴木さん。「2カ月に1回はメニューを見直すなど、常に新しいものを提供していきたい」と意気込む。

　営業時間は、ランチ＝11時30分～13時30分、夜＝17時～翌3時。店内は個室になっており、30人まで対応できる。