暮らす・働く

「アジカン」が石垣で初ライブ-高校生の呼びかけで夢が実現

「アジカン」が石垣島で初ライブ

「アジカン」が石垣島で初ライブ

  • 0

  •  

 4人組みのロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」が12月26日、石垣市民会館(石垣市浜崎町)で初ライブを行った。きっかけは石垣市内の高校に通う生徒たちの署名だった。

[広告]

 アジカンのライブを実現させたのは、「アジカンを石垣島に呼ぶ高校生の会」のメンバー8人。市内にある3高校から集まった生徒たちは、昨年2月に学校の許可を得てアジカンを呼ぶための署名活動を始め、3カ月で902人分の署名を集めた。そしてメッセージを添えてレコード会社に送ったところライブが決定。当初は3月に予定されていたが、卒業して島を出てしまうことから12月に実現した。

 当日、ライブは中高校生に配慮して17時30分にスタート。オープニングとともに大歓声が沸き起こり、アジカンの登場で一気にヒートアップ。約350人の観客は腕を振り上げ、リズムに合わせて飛び上がった。トークでボーカルの後藤正文さんは「初めての場所でライブができるのはうれしい。署名を集めて事務所に送ってくれたということで、メンバー全員が喜んでいる」と感謝。この日に限って冷え込んだ石垣島に「あったかい所だと思っていたのに・・・」と残念がったり、喜多健介さん(G&Vo)も西表島を訪れたことなどを話して観客を沸かせた。2回のアンコールに応え、2時間の熱いステージだった。

 ライブ終了後、会場から出てきた人たちは皆汗だくに。同会の生徒たちも汗と感激の涙でグシャグシャだった。涙が止まらなかった会長の衣斐啓太君(八重山商工高校3年)は「もう何とも言えない。楽しかった。協力してくれる人々や仲間がいたから実現できたこと。とても感謝している」と、言葉が途切れ途切れになるほど感極まっていた。新里維人君(八重山高校3年)は「すごく楽しかった。自分たちが呼んだバンドでこんなに多くの客が喜んでくれた。今まで感じたことがない感動を味わった」、崎原貴君(八重山農林高校3年)は「これまではCDやラジオなどで聴くだけだったが、僕らの熱意が通じ、遠い石垣島まで来てくれてアーティストを近くで感じられたことがうれしい。本当に楽しかった」と誰もが興奮冷めやらぬ様子だった。

 会場には中高校生だけでなく親世代の姿もあった。40代の女性は「石垣島に移住してからライブを見る機会がなかったので楽しかった。高校生にも感謝したいし、その思いに応えてくれたアジカンにも感謝したい」と話していた。

 「一生忘れられない思い出」と話す衣斐君。生徒たちは大切な宝物を手にした。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース