石垣市内の16業者で組織する「石垣島スパイスマーケット(ISM)」が、今年2月から東京都内の百貨店などで展示販売会を展開している。
同組織は地場商品の販売を通して石垣島の豊かな物作りやライフスタイルを提案しようと昨年9月に発足。特産品のブランド化を図るため、昨年1月に石垣市商工会が東京・新宿の小田急百貨店限定で出店した際、「このまま終わらせるのはもったいない」と業種の違う16業者が組織した。名称は「石垣島に来れば刺激(スパイス)のある日常が味わえる」という意味合いを込めてネーミング。「地場素材を活用して第一次産業とつながる」「観光ビジネスを活用して第三次産業とつながる」「製造業と他の産業がリンクするシステム」の3点を、石垣島を育むビジョンとして掲げる。
参加しているのは、「TILLA EARTH」「島藍農園」「FREE FOWLS」「サンシャトゥー」「BAR NOBU」「ガーデンパナ」「辺銀食堂」「もだま工房」「ゴーヤカンパニー」「大田民芸」「ハワイアン・グロット」「やまばれ陶房」「栗村友己」「Windy Earth SILENT CLUB」「ハイビスカスキャット」「メームイ」。食品から宝飾、民芸、陶器、オイルまで業種はさまざま。商品カタログも発刊しており、展示販売会を訪れた客から既に問い合わせがあるという。
2月17日~23日は東京・渋谷の東急百貨店東横店、2月24日~3月1日は東京・御徒町のセレクトショップ「日本百貨店」に出店。代表の平良静男さん(TILLA EARTH)は「ネーミングの強さもあり、石垣島に興味がある人以外にも足を止める客も多かった」と振り返る。「(東急百貨店は)ハワイアン・グロットはジンジャーシロップ250本、ゴーヤカンパニーは調味料200個以上を売り上げるなど全体的に商品の売れ行きも良かった。駅近くということもあり情報発信源になっている。足を運んだ客からブログやツイッターなどを通して口コミで集客につながることも大きかった。石垣島をしっかりアピールできていると実感している」とも。
メンバーの岡元桂子さん(BAR NOBU)は、「新しい見え方のする石垣島を提案したい。お土産という概念ではなく、そのものを都会に持っていくことで島の空気を感じてもらえるエッセンスになってくれれば。島の素材や人をもとにできあがった商品を通して地域の活性化につなげ、未来の島を育みたい」と意気込みをみせる。
日本百貨店では引き続き3月8日まで一部商品を取り扱う。4月11~23日には東京駅の駅ナカ施設「エキュート東京」でも展示販売を行う予定。石垣市内では各店と「石垣ペンギン」(石垣市大川)で販売する。