「南の島の星まつり2011・ライトダウン星空観望会&夕涼みライブ」(南の島の星まつり2011実行委員会主催)が8月6日、石垣市民会館大ホールで開催され、多くの市民や観光客が訪れた。
星空の宝庫といわれる石垣島で夜空の魅力を満喫してもらおうという取り組みで、今年で10年目。「石垣島を全島ライトダウンすることで満天の天の川を楽しもう」がキャッチフレーズに7月30日~8月7日の1週間を「星まつりウィーク」として、島内各地で星にまつわる催しが行われた。
メーンイベントのライトダウン、星空観望会は通常野外ステージで行われるが、台風9号の影響で屋内での開催となった。
市民会館ロビー内では、石垣市企画部商工振興課が事前募集した「星は特産品」の店が並び、星をモチーフにした器や星形のタマネギが入ったドレッシング、星型のクッキーなどを展示販売。市内の海岸に先月漂着したロケットの破片を紹介するJAXA(宇宙航空研究開発機構)の展示コーナーや、NPO法人八重山星の会による天体の解説パネルコーナー、八重山東北人会による被災地支援Tシャツ販売コーナーなど、さまざまな展示・販売コーナーが並び、観客の興味を誘った。
会場入り口付近には、八重山商工高校観光科の生徒らによる望遠鏡の体験コーナーを開設。同科では星をテーマにした「島んちゅ向け観光ツアー」を12月に行う予定にしており、事前に望遠鏡の操作を学ぶとともに市民にも触れてもらおうと企画した。生徒の下地遥さんは「星空というのは天気で左右される。今回こんな天気で見られなくて残念ですが、ツアーまでには石垣の自慢できる星を見られたら」と話す。
大ホールでは「八重山星の会」「JAXA」によるスクリーン解説や、きいやま商店、夏川りみさん、Skoop On Somebody(スクープ・オン・サムバディ)のライブを開催。開場1時間前の16時ごろから観客が詰め掛け、17時ごろには長蛇の列に。会場は終始立ち見がでるほどの盛況だった。
ライブでは、地元出身の「きいやま商店」の3人が独特の語り口とユニークなパフォーマンスで場内に笑いを誘い、続いて今年5月に市の観光大使に任命された夏川りみさんが「石垣島は日本で一番美しい星空が見られる。これからも美しい星空が見えるようライトダウンお願いしますね」と呼び掛け、「涙そうそう」や被災地に向けて歌った「明日という日が」など5曲を歌い観客を魅了した。
毎年石垣島を訪れるのがライフワークになっているという「スクープ・オン・サムバディ」は星まつりのテーマソングになっている「永遠の星空」、新曲の「Another Life」などを披露し会場を盛り上げた。
あいさつでは実行委員長の中山義隆市長が、天文学者が選ぶ星の名所の1位に石垣島が選ばれたことを紹介。同名誉実行委員長の観山正見国立天文台長が「夜空に抜けている明かりは全く無駄な明かりだと思う。海外では試みられているところもあるが、石垣島でも普通の明かりで夜空が楽しめるようになるのが私の夢」と話した。
両親2人とライブに訪れた荒木悠太朗君(5)と壮介君(2)は「楽しかった」と口をそろえて話し、「きいやま商店の『じん(お金)がない~』という曲がすごく面白かった」と興奮した様子で話した。石垣長期滞在でこれを見るまで帰りたくなかったという福岡出身の20代女性は「それほど期待していた野外ではなかったが、すごく楽しかった。石垣には楽しいイベントが多いと思う。今日は、このきれいな自然を残そうと勉強になった」と満足した様子を見せた。