劇団四季のミュージカル「はだかの王様」が3月7日、石垣市民会館大ホール(石垣市浜崎町)で上演され、親子ら満員の観客を楽しませた。
毎年恒例となった公演は今年で7回目。「はだかの王様」は同名のアンデルセン童話を元に、寺山修司が台本を手掛けた作品。おしゃれ好きな王様の所にペテン師デザイナー2人がやって来て、王女の婚約式用に「役に立たない者や、飛び抜けてばかな者には見えない」という衣装を作る。この衣装を巡り、お城の中で騒動が起こるというストーリー。
会場には多くの親子が来場。観客参加型で、一幕・二幕の前に歌唱指導があり「幕を開ける歌」「王様ははだかだ」を手拍子と共に練習し、会場が一体となって舞台を盛り上げた。
王様が次々と衣装を替える華やかさ、澄んだ歌声、軽やかなダンスが繰り広げられ、観客は本格的なミュージカルに酔いしれた。クライマックスでは裸になった王様など出演者が客席を歩き回る演出もあり、子どもたちは大喜びだった。
同級生と一緒に観劇した八島小学校5年の街琉月(つじるか)さんは「腹式発声できれいな歌声だった。ダンスでは体のやわらかさにびっくりした。将来、劇団に入りたくなった」と目を輝かせた。
帰り際には出演者が花道で来場者を見送り、握手や記念写真に応じた。間近で見る役者の姿に涙を流す人もいた。