国内希少野生動植物種に指定されているイリオモテヤマネコが10月25日、西表島古見(八重山郡竹富町)相良橋付近の県道で交通事故により死亡した。
イリオモテヤマネコの交通事故は今年2件目、記録が残っている1978(昭和53)年以来56件目となる。環境省那覇自然環境事務所によると、同日18時55分ごろ、自動車運転手が相良橋付近の県道路上で死亡したヤマネコを発見。同省の西表野生生物保護センターに通報し、センター職員が死体を受け取った。死亡したヤマネコは全長50.3センチで今年生まれたばかりの幼獣だった。センターで一次検査を行った後、病理検査や寄生虫検査などを実施するため、26日には鹿児島大学農学部獣医学科に搬送された。
これから冬季にかけて繁殖期にあたり、ヤマネコが活発に動き回るうえ、子ネコが独り立ちをし始める時期で子ネコの警戒心が薄い状態になる。センターでは、西表島で運転する際はスピードを控えめにして、路上の野生生物に十分注意するよう呼び掛けている。
イリオモテヤマネコの目撃や衝突、死体を発見した場合は同センターヤマネコ緊急ダイヤル(TEL 0980-85-5581)まで。24時間対応。