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石垣で田中つゆ子さん「布絵絵本」原画展-懐かしく新しい表現

「ものいう牛」を手にする田中つゆ子さん

「ものいう牛」を手にする田中つゆ子さん

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 石垣市民会館(石垣市浜崎町)展示ホールで1月5日・6日、「田中つゆ子布絵・絵本原画展」が開催された。主催の田中つゆ子さんは昨年12月に八重山民話「ものいう牛」(1,500円)を自費出版、紙芝居「がまぼとけ」の2点の原画など30点を展示した。

懐かしく新しい表現「布絵」により八重山民話「ものいう牛」を制作した

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 大阪生まれの田中さんは、5年前に福岡から石垣島に移住した。リノリウム版画をメーンに創作活動を続け、多くの海外芸術祭に出品。著書やカレンダーへの版画提供なども手掛けてきた。

 今回展示したのは「布絵」という新しい芸術手法。3年前に八重山の染め物や織物染で余った布生地を友人から入手、「切り貼りをして絵にしようと思いたった」という。ほぼ同時期に「八重山昔ばなし」の中の民話「ものいう牛」(喜舎場謙二郎作)に感銘を受け、物語に合わせ14枚の布絵を制作した。評価を確かめたいと2010年にハートアート・イン・ブタペスト展に出品、特別審査員賞を受賞した。

 2011年11月には紙芝居「がまぼとけ」(花岡大学著)の制作依頼があり、1年かけて17枚の布絵を制作。ホール内には文章を添えて原画を展示した。「2作品とも図らずも『死』を扱った物語だが、暗い話ではなく、究極の思いやりを描いたものと受け止めてほしい」と田中さん。

 来場者は「繊細に布を組み合わせた作品一つ一つに感銘した。『がまがえる』の人への思いやりに感動し、涙が出た」「懐かしさと温かさがある作品1枚1枚にすごいエネルギーが込められている。使う布によりそれぞれの表情が変わるが、文章とピッタリ一致する」などの感想が聞かれた。

 会場には布絵の作り方マニュアルやリノリウム版画作品、カレンダー原画なども展示された。

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