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石垣で大規模防災訓練、市民3千人参加-自衛隊・海保ヘリの住民移送も

真剣な表情で訓練に取り組む市民ら

真剣な表情で訓練に取り組む市民ら

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 市民防災週間中の4月27日、石垣島全域を対象に津波を想定した防災訓練が行われ、昨年より700人以上多い約3000人の地域住民が参加した。

ヘリの住民移送も

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 石垣市では島に壊滅的な被害をもたらした「明和大津波」(1771年)発生の4月24日を「市民防災の日」に定め、市民の防災知識の習得や防災力の向上を図る。

 同訓練は大規模地震による津波災害の発生を想定し、海上保安庁、自衛隊、警察、消防団など27団体と連携して行う大掛かりなもので、今年で3回目。

 同日は10時に石垣島南方沖を震源とする強い地震が発生したと想定。10時3分に沖縄気象台から八重山地方に大津波警報が発表され、無線放送、広報車、FMラジオなどによる避難誘導、防災情報一斉メール、エリアメールの配信などで住民に避難を呼び掛けた。

 中央運動公園屋内練習場(石垣市登野城)には災害対策本部が設置され、中山義隆石垣市長を本部長とし、市職員や竹富町、各防災関連機関が住民安否情報などを収集した。

 自衛隊からは陸上自衛隊第15旅団、西部方面通信群の計69人が参加。同隊のヘリコプター「UH60」が第11管区海上保安本部石垣航空基地のヘリと交互に小浜島や石垣島北部の平久保地区などから住民移送を行った。災害派遣用の12車両も展示し、普段なかなか見ることができない車両にカメラを向ける市民の姿も目立った。テレビカメラ搭載のヘリコプター「UH1」2機は悪天候のため上陸できず、実施予定だった映像投影は中止となった。

 場内では災害関連パネル展や防災知識のスクリーン上映のほか、避難者名簿作成訓練、消防の消火・AED訓練、自衛隊の災害時支援物資搬送訓練なども行われ、多くの住民が参加。自衛隊による炊き出しのカレーライスも振る舞われた。

 親子3代で訓練に参加した家族は「サイレンが怖かった」「天気が悪かったので参加しない予定だったが、サイレンを聞いて来ることにした」「4歳の息子が靴下を履こうとしていたので履かなくてもいいよと焦らせてきた」とそれぞれ非常時を仮体験した様子だった。

 閉会式で中山市長は「これだけ多くの方が参加くださりあらためて意識の高さを感じ、多くの団体と連携しながら有意義な訓練ができた。今後も皆さん一人一人が防災意識を持ち、災害時には自助、共助、公助の意識を持って対応していただきたい」と話した。

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