石垣の市民放射能測定所「石垣市民ラボ」(石垣市登野城、TEL 0980-87-5487)が10月7日、2年間の測定結果報告を行った。
昨年12月からNPO法人として活動する同ラボは、飲食物、洗剤、油脂、土壌、飼料の測定を、1サンプル一般500円、会員100円で行い、2年間で1300件以上の測定を13人のボランティアが行ってきた。
測定責任者の笹尾哲夫さんは「福島第一原発事故によって放射性物質が拡散されたが、目に見えず、匂いも味もしない。食品に対する不安の解決は測ってみること。八重山の産品はもちろん、東北や関東から来る食品はほとんど汚染されていないことが分かった」と話す。
「『放射性物質が含まれるのでは』と持ち込まれた食品・飲料のうち、セシウム134と137の両方、またはいずれかを検出したものは、140件で12%。いずれも厚生労働省の定める基準値以内だった」という。
八重山産品では、「島豆腐」「八重山そば」「かまぼこ」「パイナップル」「本マグロ(皮)」「石垣牛」「水道水」など100件を測定。いずれも不検出だった。
市内で流通する島外からの食品では、多い順に「緑茶茶葉」(12.28ベクレル)、「原木干しシイタケ」(9.36ベクレル)、「やまぶしいたけ」(3.74ベクレル)、「さつまいも」(3.07ベクレル)だったが、基準値を下回った。
「検出品の産地は、福島第一原発事故後のセシウム降着量が大きかった地域にほぼ集中している。八重山には放射能は風ではなく流通ルートに乗って入ってくるが、いずれも基準値以下。福島県の玄米は検出されないなど、徹底した管理が行われていることがうかがえる。安全と確認できた食品は逆に積極的に食事に取り入れ、被災地の復興を支えたい」と笹尾さん。「今後も日本最南端の測定所として続けたい。不安な食品はぜひ相談してほしい」と呼び掛ける。
受付日時は水曜・金曜・日曜の10時~13時。