現代版組踊「オヤケアカハチ~太陽の乱~」を演じるウイングキッズリーダーズが7月24日、石垣市民会館(石垣市浜崎町)大ホールで夏公演「結ぬ島風(ゆいぬしまかじ)~星々を紡ぐ結の詩~」を上演した。
ウイングキッズリーダーズは八重山地区在住の小学4年生から高校3年生までの約80人が所属する「子ども演劇ワークショプふるさとづくりリーダー養成講座」の受講生。父母会「やいま浪漫(ろまん)の会」(ワイコフ・ゲアリ会長)が公演を主催している。指導・脚本・演出を担当するのは演出家の比屋根秀斗さん、主にダンスを指導するのは大浜ひかるさん。
同団の夏公演は今年で4回目。物語は、現代の石垣島に東京から引っ越してきた小学生のマサキが、島の精霊キジムナーと出会い冒険を繰り広げ、島の子どもたちと友情を育んでいくというもの。子どもたちの迫力のあるダンス、体当たりの演技に、音楽は、池田真作さん、岸本峰子さんのボーカルに3人のバンドメンバーが加わるプロミュージシャンが迫力のある演奏で応援した。公演は立ち見がでるほどの大盛況となった。
マサキのおじぃ役を演じた山内琉大(りゅうた)さん(石垣中1年)は、「島にいる面白いおじさんやおじいちゃんが好きなので、面白いおじぃの役があると聞いて、やってみたいと思った。メインの小学生役5人に比べて出番は少ないが、そこで集中してしっかりと存在感を出したいと思った。自分がちゃんと役をこなせたのか不安だったが、いろんな人にちゃんと笑ってもらえて、公演後にいろんな人から良かったと言われてホッとした。次も、おじぃ役をやってみたい」と振り返る。
ダンスリーダーのワイコフ・シュリンさん(八重高3年)は、「この夏公演ができるか分からなかったが、危機感があったからこそ高校生リーダーたちで団結して取り組めて、仲間意識が高まった。新曲『ウェルカム石垣島』のダンスと、テーマソング『結ぬ島風』に新しいダンスを取り入れたのが難しくて、本当にできるのか不安なこともあったが、ダンスも全部うまくいって、自分にとっての最後の夏公演に悔いが残らず本当に良かった」と話した。
ウイングキッズリーダーズの卒業生でもある大浜さんは、「自分は何もダンスを教えていない。とにかくリーダーたちがしっかりやれるように見守った。新曲の振りを考え、衣装を父母の方と相談しながら決めていくなど大変だったが、この2カ月あまりで子どもたちはよく頑張ったと思う。本番に強いということがよく分かったので、これからはもっとレベルを上げていきたい」と意気込む。
比屋根さんは「卒業生の田場利奈が初めて舞台監督として頑張ってくれて、演出する上で頼りになった。多くの卒業生が舞台作りに携わってくれるのは、子どもたちにとっても励みになると思う。子どもたちは一人一人本当によく頑張ってくれたので、成長した姿をお客さんに見てもらえたのではないか。毎年新しい取り組みを入れて、色を加え土台を固めて、より良い舞台を作れるようやっていきたい」と意欲を見せる。
同団は毎年12月、石垣市民会館大ホールで「現代版組踊 オヤケアカハチ~太陽(てぃだ)の乱~」を成果発表として上演している。