「基地を笑え!お笑い米軍基地」-FECが今年も公演、会場を笑いの渦に

沖縄が抱える問題を笑いの中に表現

沖縄が抱える問題を笑いの中に表現

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 演芸集団FECの「基地を笑え!お笑い米軍基地7」の公演が7月24日、石垣市民会館大ホールで行われた。

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 米軍基地のある沖縄で起きた悲惨な事件や基地を取り囲む現状について、お笑いの形でコミカルに表現する同劇団の石垣公演は昨年に引き続き2度目。今回は市内にある美崎牛専門店「いしがきミートしん」が企画した。

 冒頭、主催の「いしがきミートしん」美崎信二社長が「2周年を迎えることができたのも皆さんのおかげ。昨今暗いニュースもたくさんあるが、今日はいっぱい笑って楽しんでください」とあいさつした。

公演では、ここ最近で話題に上った時事ネタを取り入れ、前半は芸人6組の漫才・コントおよび演劇を、後半は沖縄新喜劇の2部構成で行われ、風刺の効いた新作ネタや新キャラクターの登場で、会場を笑いの渦に巻き込んだ。

 米軍海兵隊員の新郎と沖縄出身の新婦の結婚披露宴のコントでは、新郎がパラシュート訓練で基地外に降下してしまったことを友人代表で紹介するあいさつや、新郎関係者が「日米地位協定最高」の横断幕を掲げながら踊る余興を披露。新婦のあいさつは米軍機の騒音でかき消されてしまうなど、基地を取り巻く環境下の問題を独特のユーモアで笑いに変えた。

 発言で波紋を呼んだ、米国務省日本部長で元沖縄総領事のケビン・メア氏が米国務省日本部長を解雇後に弁当屋「ほっともっと」に就職面接に訪れたという設定のコントでは、面接官の質問に「沖縄の人はゆすりとごまかしの名人」「ゴーヤも作れない怠け者と一緒にしないで」などと失言を繰り返して不採用に。そのほか、人気アイドルグループ「KARA」の「Gee」に模した「TAKARA」の「(総理の)辞意」や、県内の人気キャラクター「琉神マブヤー」を意識した「遺骨収集ボランティア・ガマフヤー」、タイガーマスクの格好をした伊達直人という男が思いやり予算の入ったランドセルを米軍に配って回るコントなど、今年の時事ネタを盛り込んだ作品が次々に登場。新喜劇「阿波根食堂不発弾大騒ぎの巻」では電力会社が開発した毒エネルギーが入った不発弾処理の騒動を演じ、原発問題をほうふつとさせる場面も。

劇中、「巨大なエネルギーは私たちの中にあるかもしれない」「沖縄は苦しいことも笑いに変えて苦難を乗り越えてきた」「これ(いまだ家族の元に帰れずにいる遺骨が多くあること)が戦後70年たった沖縄の現状」などのメッセージを込めながら、沖縄が抱える問題を笑いの中に表現。場内では時折指笛が鳴るなどの拍手喝采が起こった。

 県内各地で何度も同劇団の公演を見に行っているという30代女性(市内在住)は「面白かった。毎回楽しませてもらっている。基地問題など毒もありながら笑えるのがいい」と話していた。

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