石垣に4月20日、料理雑誌編集者から転身した店主が料理を作るレストラン「中村屋」(石垣市石垣、TEL 0980-87-5075)がオープンした。自家製野菜を使ったカレーなどが話題を呼んでいる。
店主の中村裕子さんは料理雑誌「dancyu」や「オレンジページ別冊」の元編集者。「50歳で人生の方向を変えようと思っていた」と編集から料理を作る側に転身した。「47都道府県をくまなく取材し原稿に書いたこと、学んだことを生かしたい」と話す。
場所は石垣小学校西門前。敷地を石積みで囲い、木造に赤瓦屋根と昔ながらの風情ある民家を新築して昨年8月に東京から移住した。28坪ある自宅の半分以上がレストラン。席数はテーブル、座敷、カウンター、ガーデンテーブル合わせて27席。60坪の畑もあり、そこで収穫した野菜をふんだんに使ってランチはカレーメニュー、夜はおまかせの家庭料理コースを提供する。
カレーメニューの「おすすめ」は「元気野菜カレー」(900円)。玉ネギとトマトをベースにカボチャ、ナス、インゲンマメ、ピーマンなどを加え、山原若鶏のモモ肉を使ったボリュームある一品。キーマカレー、バターチキンカレー(以上900円)も人気。「作ったカレーは一晩寝かせてうま味を引き出すことがおいしさにつながる」。ライスは白米に十穀米を加えていて赤飯のようだ。大盛りは100円増しで持ち帰りもできる。
夜のコースは八重山の素材にこだわった家庭料理(2,500円~)。今の季節は冷やし茶わん蒸し、焼きナスとオクラの白あえに旬のマグロ、近海で捕れたサワラの西京漬け、塩麹(こうじ)やみそで漬け込んだ肉料理、炊き込みご飯、ぬか漬けなど10品ほどの献立を提供する。
「昨年7月の新築内覧会で来てくださったお客さまがどんな店になったかと来てくれる。食べたら元気が出たと言ってくれてうれしい」と笑顔を見せる中村さん。「材料の肉も調味料も取材で知った信頼できる生産者から仕入れたい。プロの料理人ではないので手間をかけて、しかもできるだけシンプルな味で勝負したい」と意気込みを見せる。
営業時間は11時30分~14時30分。水曜定休。夜は要予約。