尖閣諸島の現地調査を9月2日に行った東京都調査団は、22時に石垣港に帰港、その後調査結果を報告した。
石垣現地本部長の大井泰弘氏は「貴重な情報を得ることができた。調査員や地元関係者に深く感謝したい」。調査団長の坂巻誠一郞氏は「天候に恵まれ、絶好の条件で計画通り、3隻の船の特長を生かした活動をすることができた」と報告した。
また、東京都専門委員の山田吉彦氏は、水場があることから居住空間としての利用や、残された自然から観光資源の活用などの魅力について話し、自然環境専門家の小城春雄氏は、ヤギの食害が進んでいることを指摘、早急な駆除や上陸しての調査を求めた。
地元から石垣市企画部長の吉村乗勝氏も本船から視察し、「間近で尖閣諸島海上から観察できたことは大きな一歩。漁業従事者が安心・安全に活動できるよう、国に要望していきたい」と述べた。
今回の調査目的は、東京都の尖閣諸島の購入と活用策の検討のため、海岸線の状況確認、避難港の適地確認、動植物観測、海水測定などを行うというもの。調査費用に2,000万円かけた。
調査団は、団長に坂巻政一郎東京都知事本局政策部尖閣諸島調整担当部長、山田吉彦東京都専門委員、小城春男北海道大学名誉教授のほか、不動産鑑定士4人、東京都職員13人、地元関係者3人、調査記録3人など25人で組織された。
調査は、6時15分から魚釣島近海で水質調査、7時から調査員25人のうち、15人が小型船2隻に分乗し魚釣島周航の沿岸調査。12時30分に調査を終了した。場所を北小島、南小島周辺に移動、13時10分から調査を開始、15時45分に調査を終了した。波は1メートル前後と穏やかな海況での調査となった。