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石垣の津波石、国の天然記念物に指定へ-1000トンの大石も

車と比較してもその大きさをうかがい知れる1000トンの大石

車と比較してもその大きさをうかがい知れる1000トンの大石

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 「石垣島東海岸の津波石群」が国の天然記念物に指定される見通しとなったことが11月16日、明らかになった。国の文化審議会が、田中真紀子文部科学大臣に答申、来年2月の官報告示で正式指定となる。

2000年の時を経て樹木などかサンゴ石を覆う

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 同津波石群は、約2000年前に先島大津波によって打ち上げられた大浜・崎原公園の「津波大石(つなみうふいし)」と、1771年に明和の大津波によって打ち上げられ、移動した大浜の「高こるせ石」、伊野田の「あまたりや潮荒(すうあれ)」、平久保の「安良大かね(やすらうふかね)」の計4つ。

 最も大きい「津波大石」は、直径11.5メートル、高さ6メートル、推定重量は1000トンで、現在の海岸線から100メートルほど内陸にまで打ち上げられており、津波の威力の大きさがうかがえる。今では樹木などが石全体を覆っている。「安良大かね」は流紋岩からなる赤い岩。「海岸沿いに55メートル移動した」と記録が残る。

 文化審議会(宮田亮平会長)は「1771年に発生した明和大津波の被害は、多数の古文書に詳細に記録されており、近年世界的にも注目を集めている。被害の大きかった石垣島東海岸の各地に240年の時を越えて残され、津波の驚異を具体的に今に伝える津波石として初の指定。地震常襲地帯のわが国において津波災害を具体的に伝える津波石として重要」と答申した。

 市内には「八重山明和大津波研究会」があり、本土からは地質学者らが来島し、残された古文書などを基に解析を進め、津波研究レベルは国内最先端とされる。インターネットでは先島近辺の想定地震による津波の予想動画が公開されている。

 石垣市所在の国の天然記念物は、平久保のヤエヤマシタン、米原のヤエヤマヤシ群落、宮良川のヒルギ林、荒川のカンヒザクラ自生地が1972(昭和47)年に指定されている。

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