石垣島製糖(石垣市名蔵)が12月19日、今期の操業を開始した。名蔵の工場には荷台いっぱいにサトウキビを載せたトラックが次々と乗り入れ、煙突からは白い煙が立ち上り、辺りに独特の香りが広がった。
昨年より19日早く行われた操業開始式には、中山義隆石垣市長や沖縄県八重山農林水産振興センターの玉城肇所長ら関係者が出席した。
山田社長は「減産を余儀なくされた昨年度と比較し、今年は台風17号の影響を受けたものの、非常に良い出来栄え。高い歩留まりが期待でき、安全第一で操業したい」とほくほく顔。しかし「TPP交渉参加となれば南西諸島からサトウキビが消えてしまう」とけげんな一面も見せる。
中山市長は「サトウキビは第1次産業の根幹をなす重要な産業。石垣市経済を大きく左右するTPP交渉参加は阻止しなければならない」とあいさつ。玉城所長は「台風被害もあったが努力が実を結んだ。煙突から昇る白煙は八重山の冬の名物詩。安全操業に留意を」と呼び掛けた。
その後、圧搾機前に移動。ベルトコンベヤーにサトウキビを投げ、山田社長が神酒を注ぎ、操業期間中の安全を祈願。4月5日まで108日の操業が続く。
2012年13年期は1244戸が栽培。収穫面積は105ヘクタール増え1317ヘクタール。原料生産量は、昨年から1万4941トン上回る8万2200トン、砂糖生産量は1839トン上回る9864トン、砂糖歩留まり12%を見込む。取引甘蔗(かんしょ)糖度は平均14.16度を目指す。