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ANAインターコンチ石垣で追悼イベント-宿泊者も気持ち一つに

ライブ会場となるロビーには多くの宿泊客が追悼に訪れた

ライブ会場となるロビーには多くの宿泊客が追悼に訪れた

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 東日本大震災から2年目の3月11日、ANAインターコンチネンタル石垣リゾート(石垣市真栄里)で「3.11メモリアルイベント」が開催された。

黙祷を捧げる観客

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 IHG・ANA・ホテルズグループジャパン主催の同チャリティーイベント。東日本大震災の犠牲者への追悼と被災地の復興を支援するため、昨年より全国のグループホテル合同で開催している。

 イベントでは、地元を拠点に音楽活動を行う前花雄介さんが島唄チャリティーライブを行った。ライブでは前津由喜美さんの三線、松野智憲さんのパーカッションの演奏とともに、前花さんが八重山を題材にして作ったオリジナル曲や民謡のオリジナルアレンジ曲「つぃんだら節」など4曲を演奏。240年前に石垣を襲った明和大津波後に残る伝説を歌にした「人魚の涙」の前には、観客・スタッフも合わせ全員で東日本大震災の犠牲者に黙とうをささげた。

 前花さんは、ある漁師の網にかかった人魚が津波襲来を教えてくれ、その話を信じて逃げた村人は助かり、信じなかった村人は犠牲になったという教訓話にもなる人魚伝説のストーリーを紹介。「伝説や昔話には、昔の人が後世に伝えようとする大切なメッセージが込められている」と話し、「石垣がこうして繁栄し僕たちが今生きているということは、津波を経験した人たちがこの島を支えてくれたから」と力強く語った。

 埼玉県から訪れたという男性(61)は「心に伝わるいいライブだった。昔から伝わっている話というのは大事だなと感じ、この震災も次の世代に伝えていかなければならないと実感した」、観光で初めて石垣を訪れたという女性(47)は「こんな時に旅行していいのかと少し罪悪感があったが、ささやかだがチャリティーに協力でき、すてきな歌声が聴けて、いい記念になった」、追悼ライブの情報をネットで見掛けて訪れたという石垣市在住の女性(30)は「昔のことを歌にしていて感動した。やっぱり忘れちゃいけないんだと思った」と、それぞれ話していた。

 イベントを通して集められた義援金は日本赤十字社を通して、東日本大震災義援金として寄付される。

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