石垣で2月9日、「不登校・ニート・ひきこもりに関する親の不安解消セミナー&個別相談会」が石垣市健康福祉センター(石垣市登野城)で行われた。主催は地域若者サポートステーション沖縄。
当団体は、沖縄市を拠点に県内のニートや不登校、引きこもり問題に取り組み、若者本人や保護者、関係者への支援を行っている。今回、県の委託を受けセミナーと出張相談会を石垣で初開催し、関係者十数人が参加した。
セミナーは「カウンセリングの現場から」と題し、臨床心理士の松本大進さんが講話。今までの研究の成果の中から「引きこもりの実態に関する調査報告」「メンタルヘルス知識の普及」など体験談を交えて紹介した。
引きこもりの若者の特徴は、「『学校に行くのは自分が決めたことではない』と困難を他者のせいにする癖がある」という。引きこもりから回復をさせるためには「親が本人に無条件の肯定的関心を持つ。1日3点良い点を見つける。子どもの話をよく聞く。対人恐怖を少なくするために人を家に入れる」とアドバイスをした。
ストレスが起きる状況になったら、どんな気持ちになったか、どんな行動をとったかを記入する「アセスメントシート」の作成を勧め、「自分の行動に対する気持ちを具体的に書き数値化すると気持ちの整理がつく。ストレスに対する気持ちは自分で選べることが分かる」という。
そのほか、うつ病、統合失調症、摂食障害、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、不潔恐怖などについて説明した。「うつ病の傾向は、『睡眠はとれているか』『食事はとれているか』『世の中から自分がいなくなってもいいと思っているか』聞いてみると判断しやすい」と松本さん。
その後、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーらが希望者に個別相談を行った。石垣での開催を誘致したキャリアコンサルタントの上原行浩さんは「これまで民間には不登校やニートや引きこもりに関わる人たちが相談をする所がなかった。親子だけでは解決できなかった問題を各専門家がチームで対応していく。今後は、教育機関との連携やカウンセリング、学習支援、自立訓練・職業訓練などの開催に取り組んでいきたい」と話す。