石垣で3月30日、「石垣港伊原間線(野呂水)」の開通式が行われた。市街地から名蔵湾に抜ける手前の「石垣の塩」付近まで2.5キロがパイパスとして整備され、一般交通や観光客の安全さがより確保されることとなった。
2004年から11年かけての事業で、総事業費は12億5,000万円。野呂水橋も架けた。カンムリワシなどの自生動物と丘陵を配慮した作りになっており、道路両端の深さ50センチほどの側溝には、カメなどの小動物が落ちても自力で上がれるような階段を設けている。
幅員をとった片側1車線で、片側に幅約4メートルの自転車歩行者専用道路を設け、車道との間は高さ20センチほどの縁石で隔てている。
現在の道は幅員が狭く、自転車歩行者道もなく、急カーブ、急勾配と危険な道。2011年1月の未明には軽貨物車がガードレールに衝突して炎上した痛ましい事故が起き、台風時には強風で大きな松の木が倒れ、道路をふさいだこともある。
開通式で、沖縄県八重山土木事務所長の添石清包さんが地元方言を交えてあいさつし、事業概要などを説明した。中山義隆石垣市長は「海岸線を走る名蔵湾に抜けるための重要な経済動脈。安全確保に配慮していただき深く感謝したい」とあいさつした。
その後、テープカットや地元新川公民館による「南風ぬ島カンター棒」の披露、パトカーを先導に渡り始めセレモニーが行われた。