石垣島最北部の平野集落で8月6日、石垣島北部地域子どもパークレンジャー事業の第3回活動「鍾乳洞たんけん」が行われた。環境省の子どもパークレンジャー事業で、事業実施者はエコツアーふくみみ(石垣市野底)。
「石垣島北部JPR(子どもパークレンジャー)」は、伊原間中学校区(伊原間中学校・平久保小学校・明石小学校・野底小学校・伊野田小学校)の児童生徒を対象とした公募型の自然体験活動。当日はシュノーケリング体験も予定されていたが、台風13号接近のため中止された。
石垣島北部地域は西表石垣国立公園として、海・山・マングローブ域が広く保全されており、貴重な自然が残されている。同活動はカヤック・スノーケリング・登山などの体験を通して、楽しみながら地域の自然の豊かさを学び、保全意識を育むことを目的として、12月までに計6回行う予定。
今回の「鍾乳洞たんけん」は、自然のままの真っ暗な鍾乳洞を探検しようというもの。鍾乳洞の近くの石垣島馬広場に集合し、各自ウエットスーツ・ライト付きのヘルメットを装着し、少人数のグループに分かれて鍾乳洞に向かった。
鍾乳洞は道路脇の茂みから入っていったところにあり、水がたまっているところも多く、深い所では子どもの足が立たないところもあった。
「足を滑らせておぼれかけた」という根本環大(かんた)さん(野底小3年)は、「溺れそうになったけど、コウモリが天井にいるのが見えたり、テナガエビも見たりして、洞窟はとても楽しかった」。金城海咲(みさき)さん(伊野田小6年)は「鍾乳洞の中は臭かった。思っていたよりもコウモリは小さくてかわいいと思った。洞窟に入ったのは初めてで、水が深いところもあったけど楽しかった。また洞窟で探検してみたい」と、それぞれ話した。
砂川大賀(たいが)さん(野底小6年)は「外はこんなに暑いのに、鍾乳洞の中の空気はとても冷たかった。鍾乳洞が草むらの先にあってびっくりした。ライトを照らすとコウモリやテナガエビやカニ、小さい魚が見えた。自然でできた洞窟の形を使っていろんな生き物がすみかにしているところが面白いと思った」と話した。
環境省レンジャーの若松さんは「怖かったり臭かったり水に漬かったり、五感で感じる特別な体験が多かったと思う。こういう感覚も使いながら自然観察をやってほしい。石垣島は地形・地質が面白いところが多いので、これを研究する人が出てきてほしい」と期待を込めた。
第4回は9月、サガリバナの保全活動を予定している。