石垣島で開催された高校生の研究体験企画「美(ちゅ)ら星研究体験隊」が観測中に発見した天体に小惑星としての仮符号「2016 PH14」がつけられ、国際天文学連合小惑星センターの回報を通して世界に発表された。
国立天文台が主催して2005年から開催されている高校生の研究体験企画「美ら星研究体験隊」。今年は、8月3日より5日まで22人の高校生が参加して開催され、VERA石垣島観測局と石垣島天文台など石垣島の国立天文台の施設を利用して観測研究体験を行った。
今回、小惑星の仮符号がつけられた天体は8月3日に、石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡を使った、全員女性の観測チームが発見した3個の内の1つ。他の2つと共に国際天文学連合小惑星センターに報告をしていた。
仮符号「2016 PH14」は、新しく発見された天体につけられる暫定的な符号で、3夜以上の観測で、天体の位置を知るために必要な軌道要素が確定した場合に与えられる。 正式に新天体として認定されて小惑星番号がつけられるには、4年以上の観測が必要となる。
「美ら星研究体験隊」ではこれまでに、2008年に発見された小惑星2個が正式に認められ、「やいま(八重山)」(小惑星番号:333639、2011年認定)、「あやぱに(綾羽」(小惑星番号:372024、2013年認定)の名前が公募で命名されている。
石垣天文台の宮地竹史さんは、「高校生自らが星の島・石垣で発見した意味は大きい。継続して観測中だが、小惑星として認められる可能性は高い。星を発見することの喜びを多くの人々に感じてもらえれば」と喜びを隠さない。