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小浜島出身の「南島詩人」平田大一さん、「前略 南ぬシマジマ」出版

「前略 南ぬシマジマ」を出版した平田さん

「前略 南ぬシマジマ」を出版した平田さん

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 八重山諸島小浜島出身で、公益財団法人沖縄県文化振興会理事長の南島詩人平田大一(だいいち)さん(48)が8月28日、桑村ヒロシさんの写真に自身の散文詩をつづったフォトエッセー「前略 南(ぱい)ぬシマジマー新シマとの対話」を出版した。

八重山の子どもたちにワークショップをする平田さん

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 平田さんは18歳の時から、「南島詩人」という肩書を名乗る。その意味は「詩を奏でたり、踊ったり、語ったりして、詩の表現型の発展を模索する人」という。

 東京で大学生活を送った後、「シマに生きたい」と故郷に戻り、詩集発表や地域の観光産業に従事した後、主に沖縄本島での舞台演出に携わる平田さん。2007年には同い年生まれの写真家桑村さんとブログ「シマとの対話」を開設した。

 2009年にはブログで投稿したものをまとめた「シマとの対話 琉球(りゅうきゅう)メッセージ」を出版。

 2011年、沖縄県の初代文化観光スポーツ部長に42歳で初の民間人部長として抜擢された平田さん。自分の気持ちを発信することがはばかられたことから、ブログは一時休止した。

 桑村さんからの誘いもあり、2015年から不定期で再開。2016年6月で100話を迎え、同書を出版することを決めた。

 平田さんは、様々な出会いと信頼のもと創り上げた舞台「現代版組踊 肝高の阿麻和利(きむたかのあまわり)」をきっかけに、「自分の地域に誇りを持った人を育てる。地域の偉人を知る」ことをテーマに沖縄県内だけでなく大阪・福島・北海道にも「現代版組踊」という活動を広げている。

 同書の第2幕「舞台裏の風景」では、原点となる「肝高の阿麻和利」のほか、浦添城の悲劇と英祖王の舞台「太陽の王子」、八重山の「オヤケアカハチ~太陽(てぃだ)の乱~」、今帰仁城の「北山の風 今帰仁城風雲録」、福島県南会津町の「息吹~南山義民喜四郎伝」のことをつづっている。

 平田さんは「講演会などをすると、持って帰れるような資料が欲しいと言われ、それにふさわしいと思えるような書籍を出したいと思っていた。自分の言葉を本に残すことで、その時の自分に再会できる。自分の生きざまを客観的に見ることにもなり、自分の原点に戻れる感じがする。地域のルーツを知り、自分のシマに誇りを持てるような人材育成に貢献したい」と心境を語る。

 同書の他に、「詩集南島詩人」「歩く詩人」「キムタカ!~舞台が元気を運んでくる~感動体験舞台」「南風 海風に吹かれて」がある。

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