旧盆(ソーロン)となる9月3日~5日(旧暦7月13日~15日)を中心に、八重山各地でアンガマなどの伝統行事が行われた。
旧盆期間にグソー(後生=あの世)からの使者であるウシュマイ(爺=じい)とンミー(婆=ばあ)が大勢のファーマー(子や孫)を連れて家々を回り、先祖を供養して子孫繁栄を願う「アンガマ」が、八重山各地で行われる。
沖縄本島中部からの入植者の多い石垣島北部の明石集落や野底栄集落では、旧盆中日の9月4日に伝統的なエイサーが行われた。
13歳で野底栄地区に入植した上原正道さん(76)は「糸満や小浜島に長くいて、栄に戻ってきた時にエイサーが無くなっていて寂しかったが、6年前に栄地区のエイサーを復活させることが出来てうれしかった。若い世代にも引き継いで残して行きたい」と話す。
同地区の具志堅瀬里奈さん(伊原間中3年)は「伝統芸能や民謡がとても好きで、毎年エイサーで踊ったり三線を弾いたりするのを楽しみにしている。来年はもっと良く歌えるようになりたい」と話す。金城華純さん(同2年)は「自分たちで新しいものも取り入れていきたい。もっと楽しくしたい」と話した。
旧盆明けの9月6日には、あの世に返り損ねた霊を送り、獅子の霊力などで邪気を払い、地域住民の無病息災を願う伝統行事「イタシキバラ」も八重山各地で行われた。
石垣島北部の伊原間公民館で行われたイタシキバラに長年携わっている浜実(はまみのる)さんは「伊原間のイタシキバラはただ獅子が待っていたが、いろいろ情報を集めて以前は型があったということで15年前に型を作りやり始めた。手探りだったが、最近では協力してくれる若い人も増え、とてもいい感じに出来てきて良かった。伝統として残したい」と話す。