西表在住の後藤陽介さんを講師に招いたアースバックハウス座談会が、1月15日ちゅら赤瓦(石垣市石垣)で開催された。
後藤さんが熊本でワークショップに参加し製作したアースバッグハウス
アースバッグ工法は、混合土を袋に入れて叩き、積み上げる建築工法のことで、イラン人の建築家ナダー・カリリさんが古代中東建築と日干しレンガからヒントを得て考案した。土を使いデザイン性に富んだ住宅が建築でき、耐震性・耐火性に優れているエコハウスとして注目されている。
後藤さんは昨年熊本で開催されたアースバッグハウスを作成する講習会に参加、基礎から完成までを1カ月間で学んできた。石垣島での座談会は初めてで、第一弾として基礎編の座談会を行った。
後藤さんは3年前に西表島に移住。島では劣化したコンクリート住宅を補修しながら住み続けている人が多いこと、石垣島でも資材は高いがさらに西表島では高くセルフビルドもハードルが高いと感じていたが、その土地の土を資材として使うアースバッグ工法には可能性があると感じ、実戦でアースバッグ工法を学んできたことなどを紹介した。
アースバッグ工法の土の配合から構造の作り方。カテナリー曲線が構造に強いこと。アースバッグで家の躯体を作り左官で内装外装を仕上げる話や建築基準法の話までいろいろなことが紹介され、参加者からも様々な質問が飛び交った。
「人間はもっと自然と一体になって暮らすと、震災などに見舞われても被害は少なく暮らせるのではないかと思って参加した」という40代女性は「自然を大切にする暮らし方だと思った。友達もできて有意義な集まりだった」と話す。
後藤さんは「予想以上の人に来てもらった。アースバッグのワークショップに参加したいという声が多く、この八重山の地で必要とされているのだと実感した。今後の実践編まで続けていきたい」と話す。