石垣市白保で日本最古の旧石器時代の人骨が発掘されたことで話題となった「白保竿根田原洞穴遺跡(しらほさおねたばるどうけついせき)」が新たに国の史跡に指定された。11月15日に国の文化審議会(佐藤信会長)が萩生田光一文部科学相に答申した。
現石垣空港建設中の調査で発掘された同遺跡からは、2万7000年~2万年前の多量の化石人骨を伴う墓葬と墓域が確認されており、縄文時代後期の墓葬と生活痕跡も明らかにした。人骨そのものからも遺伝学的・形質人類学的な重要知見をもたらした画期的な意義を持つという。また、動物化石等の自然史変遷との関わりを含め、成層堆積物中において人間の歴史を長期にわたってたどることができる遺跡としても貴重だとしている。面積は3298平方メートル。
石垣市教育委員会の石垣安志教育長は「同遺跡は、我が国の歴史の正しい理解のために欠くことができず、規模・遺構・出土遺物などにおいて学術的価値がある。国の史跡に指定されることになり大変うれしく思う。石垣市における史跡指定は4件目。今後も所有者や関係機関と協力しながら保護と活用に努めていきたい」とコメントした。