石垣島の環境問題をテーマにした映画「サンゴレンジャー」のオーディションが3月25日、石垣市総合体育館（石垣市平得）で行われた。

　作品は、環境問題提言ユニットさかいたまきの「サンゴレンジャー」を原作にしたコメディー。主人公の環境省自然保護官・矢島が行政とのしがらみの中、その型破りなヒーローぶりと無邪気さで問題に立ち向かい、地元をまとめ上げていく過程を描く。監督はドラマ「ROOKIES」などで監督を務めた中前勇児さん、脚本は映画「FLOWERS」の三浦有為子さんと、ドラマ「美男（イケメン）ですね」の高橋麻紀さんが担当する。

　今回のオーディションには児童生徒を中心に53人が応募。自己紹介した後、事前に渡されたせりふを一人ずつ読み上げた。参加した海星小学校2年の池間琉杏さんは「オーディションは初めて。緊張したけど楽しかった」とうれしそうに感想を話した。

　オーディション終了後「予想以上の人数があり、人材も期待していた以上。沖縄の子どもたちは大人とのコミュケーションも物おじしない」と中前監督。「一人でも多くの人に本作を見ていただきたいので、地元の人たちと一緒に頑張って作りたい。スタイリッシュコメディーと銘打ってはいるが、最後は泣かせたい」と演出への抱負も語った。

　エグゼクティブプロデューサーの西初恵さんは「サンゴがだめになるとこの美しい海の水もだめになってしまう。未来の子どもたちには少しでも今のままの美しい海を受け継いでもらいたいし、本作品が少しでもその力になれば」と話す。「石垣の皆さんと楽しみながら作りたい。祭りのような感覚で、撮影を見かけたらぜひ参加してもらいたい」とも。

　八重山ロケは5月連休明けから2週間ほどの予定で、石垣島と竹富島を中心に撮影する。2013年初夏の公開予定で、興行収入をサンゴ保全事業に寄付する予定だという。