南(ぱい)ぬ島石垣空港が3月7日に供用を開始、初便出発を前に、空港では開港宣言式が行われた。
式では沖縄県から當間重美八重山事務所所長が出席、「八重山圏域の皆さんが長年にわたり待ち望んだ空港が開港する。本土への直行便就航やLCC就航なども予定され、沖縄県全体の振興発展に大きく貢献する」とあいさつ。八重山市町会会長の中山義隆石垣市長が「八重山郡民悲願の新石垣空港『南ぬ島石垣空港』の開港を宣言します」と述べ、関係者によるテープカットとくす玉が割られた。
その後、全日空1762便が那覇に向け8時15分に初便を飛ばした。全日本空輸の内園幸一取締役は「開港おめでとうございます。記念の日に初便で飛ばせることを光栄に思う。新空港開港の歴史の重みを受け止め、一便一便快適なフライトとなるよう心がけたい」。中山義隆石垣市長は「よくやくここまでこぎ着けた。先人の苦労を思うと感慨深い。新たな空の歴史の幕開けになる。同社も四半世紀にわたる八重山郡民の足、夢の架け橋を維持し、発展してほしい」とあいさつした。
東京に帰るという観光客は「3カ月前に予約し、初便に乗ることができてうれしい。少し緊張している」と話した。
初便が到着するとロビー中央の舞台では、巣立ちを迎えたカンムリワシが、日の出とともに東の空に向かって飛び立つ様子を歌にした「鷲ぬ鳥節」を八重山古典音楽の奏者が演奏、開港を祝った。空港入り口には、八重山の伝統行事で使う「旗頭(はたがしら)」が青空にはためいた。
新石垣空港は中型ジェット機が就航可能な2000メートル滑走路で並行誘導路を設置。中型ジェット機が就航可能となり、本土への直行便による飛行時間の短縮、コンテナ輸送による大量輸送、品質保持が期待できる。