石垣・伊原間海岸で5月22日、「気仙沼魚市場」と書かれた青いプラスチック製の漂着物が発見された。東日本大震災から2年と2カ月余り。気仙沼から石垣までは直線距離で2300キロ。一体どこを漂流してきたのだろうか。
漂着物は水槽のようなもので、水を抜く栓があるが外れておらず、満杯に海水がたまり、中にはヤドカリが数匹いた。大きさは、高さ1メートル、幅1.8メートル、奥行き1.3メートルほど。黒い文字で「気仙沼」「魚市場」、赤い文字で「821」と書かれている。
発見者は市内在住のウミガメ調査員で、海岸線沿いに歩いていたところを発見したという。水槽は比較的きれいな状態で、所々にサンゴが3センチほどに成長していることから「気仙沼から石垣まで一直線に流れたのではなく、北太平洋海流でアメリカ西部に行き南下、北赤道海流で赤道付近を西に進み、フィリピン東部を北上、黒潮にのってきたのでは。サンゴが付着しているのが温かい海から来た証拠」と発見者は推察する。
水槽はほかの漂着物と同じく、「ゴミ」扱い。「ウミガメの保護で使えれば」と発見者は希望している。
八重山では今年1月に小浜島で石巻市の「小型漁船」、2月に西表島で南三陸町の「ポスト」、4月に新城島で釜石の「海産物を入れる籠」の漂着が確認されている。