現代版組踊「オヤケアカハチ」を西表島で公演した子ども演劇のウイングキッズリーダーズが3月15日、2014年度の閉講式を沖縄県立石垣青少年の家(石垣市新川)大研修室で行った。
ウイングキッズリーダーズは「子ども演劇ワークショップふるさとづくりリーダー養成講座」の受講生のことで、受講生の保護者で構成する「やいま浪漫(ろまん)の会(小浜英克会長)」が運営している。
演出家として子どもたちを指導している比屋根秀斗さんが、本年度の数々の公演を振り返り、「みんな本当に頑張った。それぞれ成長できてよかった」と受講生たちにあいさつした後、小浜会長から受講生1人1人に修了証書が手渡された。
その後、本年度で卒業となる高校3年生6人が一人一人あいさつ。
「アカハチ(ウイングキッズリーダーズの活動)は自分の居場所だった」と語る岩崎カンナさん(八重山高校)はアメリカ留学を、「9年間続けてきてよかった」と話す石垣朱里(あかり)さん(同)は大阪の大学で観光の勉強をするという。高校の卒業式で12ヵ年皆勤者として表彰された貝盛新(ちか)さん(八重山商工)は岐阜の大学に進学。東京の保育系大学に進学する宮古しずくさん(八重山高校)は、「アカハチがあったからこそ今の自分がいる。メンバーたちには仲良くできたことやきつい練習も一緒に乗り越えられたことに、秀斗さんには頼りない自分に役を任せてくれて指導してもらったことに感謝している」と語った。
東京の専門学校に進学する田場恵美留さん(同)は「将来はテレビの美術スタッフになりたい」と話し、3年間主役の「オヤケアカハチ」を演じてきた上地大星さん(同)は、「役者を目指して上京する。そして、もっと先の将来は八重山に帰ってきて、秀斗さんのように演出・指導したい」と話した。
そして、卒業生全員で秀斗さんや保護者へ感謝の気持ちを伝え、後輩たちに「アカハチの道しるべを自分たちの道しるべとして頑張って」と激励した。
演出家の比屋根秀斗さんは、2009年に現代版組踊を推進している一般社団法人タオファクトリーからインストラクターとして八重山地区に派遣。2012年にタオファクトリーから独立後、石垣市に居を構えウイングキッズリーダーズを指導している。
ウイングキッズリーダーズの本年度の公演は、7月の夏公演「結ぬ島風~星に祈りを大地に唄を~」と12月の本公演「現代版組踊オヤケアカハチ~太陽の乱~」など、6回の舞台公演を行った。そのほか、石垣島内の各種イベントに出演してダンスを披露した。