石垣島北部の多良間海岸で7月4日、ウミショウブの開花を野底小5・6年の児童が観察した。
インド洋から西太平洋にかけての熱帯から亜熱帯域の浅海に生息する顕花植物のウミショウブは、初夏から秋にかけての大潮時に一斉開花する。日本では沖縄県の西表島と石垣島にのみ生息し、ウミショウブ群落があるのは石垣島では多良間海岸のみとなっている。
多良間海岸のすぐ近くにある野底小学校では、エコツアーふくみみ(石垣市野底)の大堀健司代表が、ウミショウブの観察をボランティアで学習指導していた。本年度は、笹川平和財団による「海洋教育パイオニアスクールプログラム」の助成を受けている。
野底小の5・6年生は、6月21日にウミショウブの生態や潮の満ち引きについての事前学習を行い、ウミショウブの開花日を予想し、観察に臨んだ。今年は、事前の予想通り満月の大潮ではなく新月の大潮時に開花が見られた。
ウミショウブの雌花の柄は、通常の海面へ出るほど長くなく、夏の大潮の干潮時の水深くらいになると、雌花の花びらがちょうど海面に顔を出すようになる。雄花は海底近くで多数の白い花をつけ、成熟すると本体よりはじき出され、海面を漂う。海水面に開いている雌花のところに、雄花が流れ着いてやっと受粉することができる。
5年生の瀬田福音(せたふくね)さんは、「雄花が固まっているのがとてもきれいだった。手に取ってみても雄花が立っていた。雌花も見ることができてよかった」と話し、同じく上地星矢さんは「白い雄花が集まっているのがきれい。実際に観察して雌花の見分けがつけられて良かった」と話した。
「雄花が多くて、雌花が少ないのが印象に残った」という6年生の大城圭申さんは、「去年見た時よりも、雄花も雌花も数が少ないと思う、明日のほうがたくさん見られるのかもしれない」と語った。5年生の中西あいさんは「雄花が集まっていったり、バラバラになったりするのがなんでだろうと思った。雌花に雄花が吸い込まれる感じが面白かった」と話した。
今後、学習成果をまとめ冊子として印刷し、学習発表会などで配布する。