石垣市観光交流協会(石垣市浜崎町)は9月4日、日本旅のペンクラブ会員で写真家の大塚勝久さんを石垣島宣伝部長に任命し、辞令交付式を行った。
同制度は地元のアーティストや八重山好きの各界の個人・団体を任命し、各分野から八重山や石垣を広くPRしてもらおうというもの。今回で8人目の任命となる。
大塚さんは大阪府出身。大阪トヨタ自動車本社でカメラマン兼宣伝広報マンとして勤務していたころ八重山に魅せられ、休暇を利用して八重山の島々に通う。1980(昭和55)年にフリーの写真家として独立後も八重山諸島の自然、風俗、祭祀(さいし)などさまざまな側面から取材活動を続け、これまで国内で38回・米国で6回の個展を開き、写真集を含め21冊の著作物を発刊。国内外に八重山の魅力を発信し続けており、2006年には沖縄県から「沖縄県観光功労者」の表彰を受けている。
4年前からは、石垣島北部に発見された約4万4300本のサガリバナ群落の撮影を始める。開花時期は付近のロッジで寝泊まりしながら、「一夜の開花」と言われるサガリバナの撮影を行っている。作品の数々は石垣島をPRする観光情報誌や観光ポスターとしても広く活用されているほか、環境保全活動などにも尽力している。
交付式で宮平康弘会長は「これまで焦点を当ててこなかった『花の八重山』という部分を広くPRして島々全域を観光地として育てていきたいと思っている。新空港開港以来順調に伸びている石垣島観光を持続的に発展させるには、八重山のファンを一人でも多くつくり、新しい魅力をどんどん発信することが大切。今後とも大塚さんの力を得て、八重山の発展を持続的なものにしていきたい」とあいさつ。
大塚さんは「今までこうして写真を続けて来られたのも、島の人たちの温かい応援があってこそ。これからは恩返しができたらと思っている」と話し、「『環境なくして観光なし』という観点で環境を守る活動に官民一体で取り組んでいるところ。八重山の原風景を子孫に残していけるよう、これからも微力ながら一緒に手掛けていきたい」と宣伝部長としての意気込みを語った。