国立天文台・石垣島天文台(石垣市新川、TEL 0980-88-0013)は、3 月13 日にブラジルのジャックさんらが発見した「ジャック彗星(すいせい)」の鮮明な撮影に成功した。
同台は3 月16 日から、口径105センチのむりかぶし望遠鏡を使って観測を始め、22 日1時39分に、南十字星の上方、南中高度28度で撮影した。光度は12 等星ほどで、肉眼では見られないが、今後さらに明るくなることが予想されるという。
同彗星は、石垣島では宵のうちに南東の空から昇りはじめ、深夜に南中する。火星のすぐ外側にあり、7月上旬に太陽に最も近づく。太陽の裏側を通り、7月中旬から再び観測ができるようになり、8月28日頃に地球に接近、7等級ほどで「肉眼で観察できる明るさになることも期待していい」という。
本州南部でも南中高度が20 度ほどまでしか昇らないため撮影が困難だが、日本の最西南端(北緯24 度)にある石垣島天文台では、地の利を生かして撮影に成功した。
石垣島では毎年旧暦の七夕前後(今年は8月上旬)に「南の島の星まつり」を開催しており、今年は、同彗星の観察が大きな目玉になるかも。