VIBE(東京都中央区、TEL 03-6833-7890)は2月6日、石垣に日本最大級の電気推進式遊覧(EV)船「Vibes one(ヴァイブスワン)」(全長19.5メートル、19トン、定員34人)を配置し、太陽光パネル電源による運用を行うと発表した。
本事業は、国建(沖縄県那覇市)と新糸満造船(沖縄県糸満市)が共同で沖縄県の「亜熱帯・島しょ型エネルギー基盤技術研究事業補助金」を利用し、研究をすすめてきたもの。
離島ターミナル屋上に30キロワットの太陽光パネルを設置、2階に陸上電源基地を設けリチウムイオンバッテリーに充電する。3月下旬に沖縄電力の検査が行われ、4月からEV船はトムソーヤが遊覧船として運航する。1回の充電で2時間の航行が可能。
基地は実証実験が終了するまでは、EV船への給電を中心に利用、台風などの停電時には、離島ターミナルの非常用電源としての利用を予定する。
同社は「石垣市は本土や沖縄本島と比較し、電力インフラが脆弱(ぜいじゃく)で台風などの災害時に停電が起きやすく、エネルギーの安定供給に関して課題を抱えている。災害時のためだけに蓄電池を備えた発電基地の設置はコスト高になり、通常EV船に利用することは理にかなっている。石油に頼らない新たな海上交通システムとして、EV船の普及を目指したい」という。