国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点(熱研)による第7回熱研市民公開講座が7月29日、大浜公民館(石垣市大浜)で行われた。同講座は市民との相互交流の一つとして、研究所が取り組んでいる研究内容や成果などを紹介するもので、昨年から行われている。
今回は「国産の完熟熱帯果樹~栽培して真味を味わおう!!~」をテーマに、熱研の生産環境分野長の米本仁巳さんが講演、多くの市民が参加した。
講演では、日本に輸入されている熱帯果樹の量やどのようなものが輸入されているのかを説明、今後石垣島で栽培が有望な熱帯果樹が紹介された。現在栽培されているマンゴーやドラゴンフルーツのほか、アボカドやホワイトサポテ、チェリモヤ、ピタンガなどの品種特性や栽培方法についても分かりやすく説明された。米本さんは「国産であれば、完全に熟れた果実を消費者に届けることができ、本物の味を味わうことができる。多少高くてもおいしければ、消費者には受け入れられる」と国産での熱帯果樹の可能性を話した。
森のアイスクリームといわれるチェリモヤについて、「沖縄ではできないと言われていたが、熱研では育っている。石垣の冬に育てるものとしてはいいと思う」と米本さん。しかし、人工授粉をしなければならない難しさもあるといい、「なかなか簡単にはいかないもの」と苦笑した。米本さんは「それぞれの果樹には、それぞれの味がある。それを楽しんでもらいたい。台風があるからあきらめるのではなく、いろいろチャレンジをしよう」と呼びかけた。
講演後にはさまざまな種類のマンゴーが用意され、試食会を開催。参加者は味を確かめるよう熱心に食べ比べを楽しんでいた。
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