旧盆明けの伝統行事「イタシキバラ」が8月15日夜、登野城や平得、大浜など市内の各集落で行われ、地域住民や観光客らが詰め掛ける中、勇壮な獅子の演舞などが披露された。
イタシキバラは邪気を払い地域住民の無病息災を願う伝統行事で、毎年旧盆送り日の翌日に行われており、獅子舞や棒術、ニンブジャー(念仏踊り)など、地域により特徴がある。
このうち宮良地区(宮良公民館主催)では「イタスクバラ」といわれ、獅子保存会による獅子舞や公民館役員らによる演舞、花がさに白い覆面をしたアンガマの行列などが行われた。
20時ごろから東成底家では多くの観客が集まり、座敷では村人による演舞やカチャーシーがにぎやかに行われた。前庭に銅鑼(どら)の音とともに子獅子が登場すると周囲の観客からは歓声が上がり、家主による酒のふるまいを受けて獅子が喜んだ様子を表すと、子どもたちからは笑い声が。続いて、一回り大きな雄雌2頭の親獅子が加わって庭中を駆け回りながら演舞し、観客を沸かせた。獅子が観衆から手が伸ばせる距離まで近寄り、大きな口を開けると泣き出す子どもも見られた。獅子舞の演舞が終わると、村人が三味線や太鼓、笛を取り囲みクバオング(クバの扇)を手に巻き踊りを披露し、にぎやかにアンガマ行列を行った。
一行はその後、オーセー(拝所)、公民館横庭へと移動し、崎原チエ舞踊研究所や宮良村青年会・婦人会らにより、「赤馬」などの伝統的な舞踊から「AKB48」などの歌謡曲を取り入れたダンスなど、25演目ほどの余興が行われた。途中「高那節」では飛び入りで踊りに参加する村人が現れ、アンガマに模してタオルなどで顔を隠しながらも滑稽な踊りを披露し、観客の笑いを誘う場面も見られた。
今回、里帰りで獅子舞を見物した30代女性は「子ども(1歳)が以前から絵などで獅子に興味を持っていたので、近くで見せようと連れてきた。間近で見られて迫力もあったし、子どもが喜んでいたのでよかった」と話していた。