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石垣で「アンパルの野鳥」講座、貴重なカンムリワシの生態映像など

リュウキュウコノハズクの骨格を見せながら、骨の構造の説明をする佐野清貴さん

リュウキュウコノハズクの骨格を見せながら、骨の構造の説明をする佐野清貴さん

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 石垣市健康福祉センター(石垣市登野城)で1月22日、自然ガイド講座「アンパルの野鳥」が開かれ、約30人が参加した。

講座はWWFからアンパルの自然を守 る会への委託事業として開催

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 講師はカンムリワシ・リサーチ代表の佐野清貴さん。鳥の分類、形態、進化など、学術的な視点から解説が始まり、八重山で見ることができる鳥の観察方法、調査方法、生態、貴重な生物の動画を紹介した。

 「鳥類は世界で約9000種、日本では630種おり、八重山では350種が確認された」と佐野さん。「多くは渡り鳥でアジアと日本を行き来する時に立ち寄る場所となっている。春と秋によく見ることができ、夏には数を減らす」とも。

 リュウキュウコノハズクの骨格を見せながら、骨の構造の説明、哺乳類との構造の違いを説明。勤務先の石垣青少年の家で子どもたちに鳥について教えている方法なども紹介した。

 ラムサール条約登録湿地となっている「名蔵アンパル」については「湿地と林があり、生息種類の調査は困難だったが、5つのゾーンに分け、トランシーバーで連絡をとりながら個体数を調査、120種を確認した」と佐野さん。カモ科、サギ科など科ごとの数の比較グラフなどを紹介した。

 マングローブ林に響く声で鳴くチュウシャクシギ、天空で鳴くミサゴ、カンムリワシのなわばり鳴きやかすれ鳴きなどの音声を流し、「カワセミは小さいのでなかなか見つけることはできないが、鳴き声を頼りに探すといい」とアドバイスも。

 映像では、カンムリワシのオスとメスの見分け方、名前の由来ともなっている頭部の毛を冠のように立てる威嚇の様子、年間を通して記録した巣作りから子育てまでを紹介。参加者はなかなか見ることができない映像に見入っていた。

 最後に参加者からの質問を受け付け、「石垣と西表島で行き来しているか」の問いに対して「若い個体を小浜島や竹富島で観察できたので、行き来している可能性がある。成鳥になるとしないのでは」と答えた。

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