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明和大津波から240年-石垣で慰霊祭

明和大津波と東日本大震災の教訓を後世に語り継ぐ

明和大津波と東日本大震災の教訓を後世に語り継ぐ

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 「明和大津波遭難者慰霊祭」が4月24日、石垣市宮良タフナー原にある明和大津波慰霊之塔で行われた。

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 明和大津波は、1771(明和8)年4月24日に八重山諸島近海を震源とする大地震によって発生した。宮古・八重山の先島諸島は大津波に襲われ、死者・行方不明者1万2,000人余りという未曾有の災害だった。

 この災害を教訓とし後世に語り継いでいくため、石垣市は毎年慰霊祭を執り行い、遭難者の冥福を祈っている。今年は東日本大震災を受け、例年より多い約300人が参列。静かに黙とうをささげた。

 式辞で中山義隆石垣市長は東日本大震災に触れながら、「初めて目にする現実の大津波被害の凄惨(せいさん)さは目を覆わんばかりであり、明和大津波に遭われた方々の恐怖と絶望が想像を絶するものであったことが推察される」と述べた。県総合防災訓練が今年9月に石垣市で実施されることから、「訓練を一過性のものと捉えず、今後起こりうるであろうさまざまな震災への備えを万全にする契機となるよう、積極的に取り組んでいく」と決意を述べた。

 小中高校生による作文の朗読では、軽部あいりさん(宮良小6年)、砂川美穂さん(大浜中3年)、石垣信佳さん(八重農3年)が、それぞれの思いを発表。砂川さんは「今日のこの日を決して忘れず、命あることに感謝する日にしたい」と誓った。

 この後、大東吟道会八重山支部が詩吟を奉納し、参列者が花を手向けた。

 慰霊祭を前に、石垣市議会は今月22日の臨時市議会でこの日を「石垣市民防災の日」とする条例を可決。防災意識を高め、災害への備えを充実強化していくための市や市民の責務を定めた。

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