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石垣と岩手「かけはし交流」-高橋・菅原両氏の遺徳を顕彰

1328人の寄付を受けて建立された顕彰碑が除幕

1328人の寄付を受けて建立された顕彰碑が除幕

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 石垣市と岩手県の「かけはし交流」の礎を築いた元岩手県副知事の高橋洋介さんと、同事業に尽力した菅原邦典さんの顕彰碑除幕式が1月26日、真栄里公園(石垣市真栄里)で行われた。

式典では登野城字会の獅子舞も披露

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 「かけはし交流」は1993年、記録的な大冷害で翌年の種子確保に悩まされていた岩手県が、温暖で二期作が可能な石垣島へ種もみ緊急増殖事業を持ち掛けたのが始まり。当時岩手県の農政部長だった高橋さんが同事業の指揮を執り、菅原さんが石垣島に常駐して水稲栽培の指導に当たった。沖縄県や石垣市、市内64戸の水稲農家の協力もあり、半年で2トンの種もみは116トンまで増殖。翌年、岩手で作付けされた石垣島産の種もみは大豊作をもたらし、その品種は「かけはし」と「ゆめさんさ」と名付けられた。

 同事業を機に、農業分野の人的交流をはじめ、高橋さんを中心に「岩手・沖縄かけはし交流協会」が設立され、民間交流に発展。岩手・沖縄物産販売交流活動や沖縄県立八重山高校と岩手県立盛岡第四高等学校の姉妹校提携、石垣島マラソン・北上マラソン交流や石垣島まつりでの岩手特産品販売など、さまざまな分野での相互交流が生まれている。

 菅原さんは2008年6月、高橋さんは2011年8月に他界。両氏の功績をたたえ、市内の真栄里公園に高橋洋介顕彰碑を建立し、2009年にJA八重山地区本部ライスセンター敷地内に建立されていた「種籾(もみ)緊急増殖事業記念碑(菅原邦典顕彰碑)」も隣に移設した。碑は石垣島と岩手産の花こう岩を使っている。

 除幕式では、高橋洋介顕彰碑建立期成会の平田勝男会長が「一粒の米から多くの交流が生まれている。石垣島はお二人の功績を忘れることなく、若い世代の皆さんに岩手県との絆の交流をバトンタッチしていきたい」とあいさつ。高橋さんの妻・ひろ江さんや菅原さんの長男・哲史さん、岩手・沖縄かけはし交流協会の福岡勝夫会長など岩手関係者250人も参加し、碑の除幕を祝った。献花は高橋さんが好きだったというリンドウの花で行われ、登野城字会の獅子舞も披露された。

 夜は市内ホテルで「かけはし交流祝賀会」が開かれ、大勢の石垣・岩手関係者が両氏の遺徳をしのび、互いに交流を深めた。

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