泡盛版ソムリエ資格である沖縄県知事認証泡盛マイスターの資格を持つ伊藤薫(いとうかおる)さんが、石垣島で11年熟成した泡盛原酒の共同購入を目指してクラウドファンディングサイト「Makuake」で資金調達を始めた。
同プロジェクトは、2007年からじっくり熟成した八重泉酒造(石垣市石垣)の原酒を全国の泡盛ファンと共同購入するもの。一切ブレンドなしの純粋なシングルカスクは希少で、一般での販売もされていないことから、伊藤さんが主体となりクラウドファンディングを立ち上げた。7月2日までに200万円に達すれば購入が実現する。
シングルカスク原酒の名前は「ToRETOUR CASK(トゥリトゥールカスク)」。トゥリトゥールは沖縄方言で「静かな」、カスクは「たる」という意味の造語。一だるから720ミリリットルボトルを300本ほどとることができる。伊藤さんは「貯蔵回数が少ないホワイトオークだる(ナンバー223)で10年以上眠らせた個性のある味わいのものを選んだ。ウィスキーだるとして使われるホワイトオークの木の香りや、フルーティーでスパイシーな香りを持つ。味わいの苦味・甘み・酸味のバランスも絶妙。ウィスキーとの飲み比べをしても面白い」と話す。
支援者には2,700円~15万円(税込み)の支援金額に応じて「ToRETOUR CASK」や、これに「クース(古酒)グラス」や「飲み比べセット」「泡盛イベント主催権」などを組み合わせた11種類のリターンを用意する。「たるの貯蔵回数・気温・湿度など唯一無二の条件で造られるシングルカスクとの出合いは一期一会。クラウドファンディングを通してモノだけでなく購入までのプロセスや期待に新しい価値を発見できる」と伊藤さん。今後も泡盛講師や泡盛BARのマスターとしてイベントへ出向き、泡盛の魅力発信への取り組みにまい進する。